夏よ、平和よ、僕を冷ませ


夏よ、平和よ、僕を冷ませ
 

都の落日と共に混凝土は
放熱を嗜んで旅仕度の鼻唄

部屋でその日僕は暑さに殺されてしまって
一緒に歌いながら宇宙へ出かけた

砂漠だ 砂漠だ この世界が
一粒 一粒 凍えてゆく
もうすぐオゾンを抜ける頃
蠍座が見えてきた

君にありがとうって言ってなかった
もし電気が消えたら気づいてくれるかい

僕を殺した凶器とのパレードにはもう
最初のような熱は無くなっていた

砂漠だ 砂漠だ この世界を
冷たく 鋭く 風が通る
そんな荒んだ故郷でも
戻りたい 帰れない

歌うしかないだろう 温い歌でも
ふと周りを見たら独りだとわかっても

砂漠だ 砂漠だ この世界は
少しずつ少しずつ積もってゆく
あの頃見ていた星空は
キラキラとしていたけど

星になってやっと身に染みたんだ
ここはひどく寒い 歌も歌えないくらいに

君に幸せにねって言えなかった
ふと夜に見上げたら気づいてくれるかい

この燻りに

僕の光に


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夏よ、平和よ、僕を冷ませ